【白紙撤回】2020年東京オリンピックエンブレム

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ついに白紙撤回。五輪エンブレムはなぜ炎上したか?

ガソリンを注ぎ続けたデザイナーの権利意識の甘さ

あらゆる出来事、施策すべてが事態の悪化につながった。そんな印象だ。

デザイナーの佐野研二郎氏が手がけたオリンピックエンブレム。これがベルギー・リエージュの劇場ロゴに似ていると同国のデザイナー、オリビエ・ドビ氏が訴えたことに端を発した事件は、佐野氏によるデザインの「取り下げ」という形で一旦幕を閉じた。

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今後は今回のデザインを白紙撤回し、もう一度エンブレムのデザインの公募を新たに行うという。

感情的な発言が仇に

今回の問題を振り返ると、デザイナーと一般の人々との見識の違い、それに伴うコミュニケーションのミスが、両者の隔たりを次第に大きくしていった。

ベルギーのロゴとの類似問題が発覚した直後に、オリンピック準備委員会が2015年8月5日に開催した会見で、デザイナーの佐野研二郎氏は両者の ロゴについて「まったく似ていない」と発言。さらに「人のデザインを模倣したことは一切ない」と断言した。おそらく制作プロセスの違いから、両者の手がけ たデザインには差があると佐野氏自身は思ったのだろう。しかし長方形と、正方形から円弧を切り取った形状を使ったTの文字と、その一部を右下に配置した点 が共通するのは事実。そこで両者を「似ていない」と切り捨てても、一般的な人々への理解は得るには無理があった。

誰もが使うアルファベットをベースにした単純なデザインは、実際に似ることはあるのは仕方がない。その点を説明した上で、法的には問題ない点のみ を説明していれば、ここまでの炎上はなかっただろう。しかし、一部の人々は「まったく似ていない」、「模倣は一切したことがない」という佐野氏の感情的な 発言のみに反応。インターネットを通じて佐野氏が手がけたこれまでのデザインの検証を始めた。

そこで出てきたのが、サントリーのノンアルコールビール飲料「オールフリー」の景品のトートバックのデザインだ。佐野氏がデザインを手がけたとの 触れ込みで発表されたデザイン(実際にデザインしたのはスタッフで、佐野氏はその監修をした)の一部に、明らかに他者のイラストや写真をそのまま使ったも のがあった。

ここで「模倣したことはない」という佐野氏の発言の信頼性が完全に崩れた。もはや佐野氏が何を言っても、そこに説得力は無くなったのだ。

その後も、佐野氏が手がけた別の企業や団体のロゴも槍玉に挙げられる。その中の多くは相当無理のある比較で、法的にはほとんど問題のないものだっ たと考えられる。しかし問題ない程度のデザインではあったものの、一般の人から見ると似ているデザイン。すでに信頼が失われている中で、佐野氏が「模倣を する」という印象は拭いきれないものになっていった。

2度目の会見がとどめに

そこに止めをさしたのが、今回の公募の審査委員長を務めた永井一正氏が出席した最終デザイン案完成までのプロセスを解説した会見だ。ベルギーのデザインを模倣したわけではないことを証明するつもりで、佐野氏が応募した当初案の公開に踏み切ったが、これが裏目に出た。

そもそも元の佐野氏の案は、商標登録されているほかのロゴに似る可能性があるとして変更が加えられた経緯のあるものだ。この状況で、そもそもそんなリスクの高い元のデザイン案をなぜ公表するのか疑問に残る。

結果的に当初の案が、ヤン・チヒョルト氏の展示会のポスターにある文字に似ているとの指摘を受ける。

そしてさらなる決定打となったのは、本来は公表されるはずのなかった「カンプ」と呼ばれる、デザインの展開事例案が公開されてしまったことだろ う。こうしたカンプはあくまで内部資料扱いで、一般的に外部に公表されることはない。そのため最も権利意識の薄い部分である。そこの油断に落とし穴があっ た。佐野氏のカンプは、ウエブから無断で画像を使いそれを改変して使ってしまっていたことが、後になって発覚したのだ。結果的に本来なら問題のなかったは ずのオリンピックエンブレムにまで泥を塗ってしまうことになった。

この件について佐野氏は、オリンピック組織委員会にこう説明したという。

「展開例のカンプはもともと応募時に審査委員会の内部資料として作ったもの。(他人の写真などを資料などに仮に使うといったことは)審査委員会の ようなクローズドの場ではよくあること。しかし公にするには、著作者に了解を取るなどの対応が必要になる。これを怠った」。その後、事後的ではあるが権利 者にどうしたらいいか話をしているという。

デザイナーからも、こうした佐野氏の姿勢には疑問の声が上がっている。少なくともトートバッグの絵柄と、カンプ用画像の無断利用などは「なんらか の対策を施すことで防ぐことができる問題だった」と語るのはデザインコンサルティングを手掛ける、ウジパブリシティーのウジトモコ氏だ。「多くのデザイン 事務所では、ストックフォトの定期購入サービスを利用したり、デザイナーが自ら写真を撮るなどの工夫をしている。出どころを管理すればスタッフのキャリア に関わらず事故の発生は防げるはずだし、また普段からデザイナーには無料素材などに飛びつかないようにと指導している」(ウジ氏)。

今回の佐野氏の模倣問題に関して、明らかに他者の著作権を侵害しているケースは、トートバッグとカンプの2件だけだ。そして2つの問題は簡単なマネジメントで防げたはずの出来事だ。その簡単な作業を怠った代償は、あまりにも大きすぎた。

日経ビジネスオンラインより転用 転用元URL

とうとう白紙になっていしまいました…デザイナー・佐野研二郎氏がデザインした五輪エンブレム。

残念ですが新たなエンブレムが出来上がるのを楽しみにします。既に街頭など様々な場所で使われているエンブレム。撤去するのも大変でしょう。また新たなエンブレムが決定しても今回の件があったことで、慎重になって決定までに時間がかかりそうですね。

1964年の東京オリンピックで使用したものと同じだとダメなんですかね(笑)シンプルで日本らしくていいですけどね。

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